今日(2021.09.05)の新潟県魚沼地方は雨も止んで穏やかな日曜日となりました。新型コロナ感染症の拡大抑制のため、当館を含めて新潟県が設置した様々な施設が9/3から9/16まで休館・休園となっています。絶好の行楽日和ですが、もうしばらく御利用をお待ちいただければ幸いです。
さてそんな日曜日ですが、所用で国道252号線の広神田中地区を自動車で通過した際に「体長50cmほどの子グマに遭遇しました」。時刻は午前4時頃と丁度新聞配達の方のバイクやクルマが動きだす直前の時間帯です。この日の「日の出の時刻」は05:17頃であり、「月齢も27.5とほぼ新月の状態」ですので「周囲は真っ暗」です。そんな暗闇の中を「真っ黒な子グマ」が活動していますので、この子グマの存在に気づく人は少ないと思います。
そして子グマが向かったその先にあるのは集落の外れにある「クリノキ」と「オニグルミ」の林です。体長50cmほどの子グマですと「今年生まれたばかりの個体(当歳)」と思われます。更にこの子グマの近くには母グマが居る可能性が高いと判断しています。母グマは時に子グマを守るために人間を攻撃する場合がありますので、周囲の方は親子グマの存在に十分御注意下さい(※)。
<左:魚沼地方ではシバグリ(野生のクリ)は豊作 右:オニグルミはクマの重要な餌資源>
またこの「子グマの行動の解釈」ですが、一般に良く言われるのは「山に餌が無いからクマが人里にやってくる」という言説です。しかし、この広神地区では、春先から「小学校や福祉施設のある人里近く」で若グマが度々目撃されていることから、当方では「文字通り(普段から人里近くで活動している)里山型のクマ」が「馴染みの餌場であるクリ林・クルミ林へ闇夜に紛れて移動していた」と考えています。
実際に新潟県魚沼地方でフィールド調査をすると一目瞭然ですが、「雪解けが早く、様々な植物で構成される新潟県魚沼地方の旧薪炭林(里山)はクマの餌資源の宝庫」です。
※この目撃情報は魚沼市役所生活環境課へ連絡済みです。