里山のツキノワグマ 110 〜魚沼の里山はシバグリが豊作、徐々にオニグルミパターンへ移行?(2021.08.23)〜

 今日(2021.08.23)の新潟県魚沼地方は上空に寒気が入っているため不安定な天候となっています。昨日の夜半から時々雷雨となっていますが守門アメダス観測点における最低気温は21.1度、日中の最高気温は29度と予想されています。

 さて、先週末のことですが浅草山麓エコミュージアムの園内で久しぶりにツキノワグマの食痕が確認されました(2021.08.21 09:30頃に発見、前回は2020.07.25)。食害の対象はミズバショウの葉で、ツキノワグマに特徴的な「三段噛みの切り口」となっています。食痕の様子から「2〜3日前にツキノワグマがミズバショウの葉を摂食しながら沢沿いを通過していった」と判断しています(園内ではクマの目撃情報無し)

 園内のミズバショウについてはツキノワグマ対策(餌資源の除去)として7月中旬から刈り払いを進めてきましたので「ツキノワグマが園内に留まることはほぼ無い」と思われますが、念のため付近のコース(遊々の森の3コース)を8/27までの1週間閉鎖して安全管理(薮払い)を行うとともに、発見場所に野生動物自動撮影カメラを設置して状況をモニターしています

<左:クマが食害したミズバショウの株 右:クマによる三段噛みの切り口となっています>

 

<左:定点観察地点ではシバグリが豊作 右:開花期の天候が良かったのかヤマブドウも豊作>

 

 さて表題のシバグリですが、当方の定点観察地点(守門岳南西麓の旧薪炭林、エコミュージアム園内ではありません)ではシバグリ(野生の栗の実)とオニグルミが豊作(若しくは並作)となっています。山の実りの作況状況としては、山岳エリアのミズナラやコナラは不作〜並作程度ですので、仮にこのまま作況が変化しないとすると「当地の里山のツキノワグマの食性」は「シバグリとオニグルミが中心」となる可能性があります。この場合、昨年と同様にオニグルミやシバグリが自生する河畔林や旧薪炭林でツキノワグマと遭遇する可能性が高まりますので、普段以上に注意を払う必要があります