今日(2021.04.15)の新潟県魚沼地方は夜半の雨もあがり、放射冷却現象の朝を迎えました。守門アメダス観測点における最低気温はマイナス0.9度、日中の最高気温は13度と予想されています。気持ちの良い春の日になりそうですね。
さて、昨日(4/14)の夕方のことですが新潟県南魚沼市長森の宇田沢川右岸で親子のツキノワグマ3頭が目撃されています。最寄りの住宅までの距離は約100mとのこと。魚沼地方は雪解けも進み、日中の最高気温が20度近くにまで上昇する日があるなど、ツキノワグマの冬眠明けの時期となっています。魚沼地方ではタムシバの花やブナの新芽、ミズバショウの葉など、冬眠明けのツキノワグマの餌資源は十分山中に存在していますが、親子熊は防御本能から人間を攻撃する事もありますので、山菜採りや登山などの際にはツキノワグマとの遭遇に十分御注意下さい。
<左上:残雪とブナの新緑が眩しい魚沼の朝です 右上:今年はブナの花が大量に咲いています>
<左下:雪消え後の土手にはフキノトウ 右下:コゴミ(クサソテツ)も姿を見せています>
残雪に残るツキノワグマの足跡を探して今朝も里山エリアの定点観察を実施しました。その結果、ツキノワグマの足跡は発見出来なかったもののニホンイノシシやホンドリス、トウホクノウサギ、ホンドタヌキなどの足跡を確認しました。またハタネズミのトンネルとモミガラが作る珍しい造形も撮影できました。新潟県魚沼地方の里山には様々な動物が生息しています。
<左上:雪上に残るイノシシの足跡 右上:この足跡はホンドリスかな?>
<左下:トウホクノウサギの足跡 右下:モミガラを運んだ?ハタネズミの冬期トンネル跡>
雪上の足跡探索が可能な期間ももうすぐ終わります。昨日(4/14)の南魚沼市長森での親子熊の目撃事案の通り、新潟県魚沼地方ではここ20年ほどの間にツキノワグマの行動圏が住宅地近くの里山にも広がり(※)、個体数も増加傾向にあると思われますので、「里山エリアであっても」ツキノワグマには細心の注意が必要です。ツキノワグマのフィールドサインを探しつつ、安全管理には万全を期したいと思います。
※行政庁舎の通用口から50mにまで接近したツキノワグマに関する記述はこちらです。