里山のツキノワグマ 22 〜畑仕事の際はク・マ・ク・ル・ナ!の5回のクラクション〜

 ここ数日、新潟県内では畑仕事やクルミ・クリ拾いの方がツキノワグマに襲われる被害が連続して発生しています。当方の調査活動でも実践していることですが「周囲にひと気が無いツキノワグマの生息地」で調査や仕事をする際には、安全管理のため「自動車から降りる前にクラクションを5回鳴らしています※」。その際、運転席側のドアガラスを少しだけ下げて、周囲の音や反応(特にヤブを急いでかき分けて走る野生動物の音・ツキノワグマの逃走音)を良く確認しましょう

 当方の調査によれば、新潟県魚沼地方ではツキノワグマが採食のために「オニグルミやヒメグルミ、柿の木などのある場所」を「夕方から翌朝にかけて頻繁に行き来しています」。新潟県全体で見れば「ツキノワグマの生息数は平成初期の約800頭前後から、現在では約1600頭にまで倍増しています(ともに推計値)」。今までの経験や常識(この場所にクマはいない、クマによる人身事故は発生したことがない等)が、令和時代のツキノワグマには当てはまらない場合があります。

 特に里山に接している山際の畑やクルミ・クリの木のある場所では、安全確保の面からも「車から降りる前にクマクルナ(熊来るな)!の5回のクラクション」をお勧めしています。

 

<これからの季節は住宅地の柿の木にもツキノワグマが近づいている場合があります。>

 

※道路上でクラクション(警音器)を使用する際は道路交通法の規定に従いましょう。また夜間や早朝に学校や住宅地の近くなどで不用意にクラクションを鳴らすこと(迷惑行為)にも御注意下さい。