今日(R02.09.06)の新潟県魚沼地方は快晴の朝を迎えています。守門アメダス観測点における最低気温は22.4度、日中の最高気温は35度と予想されています。九州・四国・中国地方を中心に台風10号による影響が心配されます。被害の無いことを願っております。
さて、今朝も小型四駆で出勤前の定点観察を行いましたが、守門岳の麓の里山エリア(エコミュージアムからは20kmほど離れています)では9月に入り、オニグルミが実りの秋を迎えています。道路上にはホンドリスも登場し、オニグルミの実の運搬と貯蔵に忙しくしています。
<新潟県魚沼地方の定点観察のエリア(旧薪炭林の里山)ではオニグルミがたくさん実っています>
<9月上旬になるとオニグルミの外殻は硬くなり人間が踏んでも中々割れませんが、クマは顎の力で粉々に割って殻ごと食べます>
これまでの調査により、新潟県魚沼地方の「里山のツキノワグマ」は「エサ資源に恵まれている」ことが徐々に見えてきています。その一方で、旧薪炭林の里山には「ツキノワグマの冬眠(正確には冬篭り)」に利用可能な場所がなかなか無いように思えます。以前御紹介した事例では、裏山の芋穴(農家の方が作った作物貯蔵用の横穴)を冬眠場所に使用していた可能性が指摘されています。
当方が定点観察のフィールドとしている旧薪炭林では「成長の早いキリ(桐)の木の空洞」や「直立枯死したコナラの大径木のウロ(洞)」、「切り通りの崖の上部にある樹木の根の庇形状」、あるいは「密集して植林されている杉林や倒木による空間」などが「里山のツキノワグマの冬眠空間」として考えられますが、それでも守門袴腰と守門黒姫に囲まれた北東斜面(信濃川水系破間川の源流域)のブナ天然林にあるような立派な冬眠場所には及びません。
<守門山系の南西にある旧薪炭林の里山の森は若くエサ資源は大変豊富ですが、ツキノワグマの冬眠場所となる場所は極めて少ない状況です>
もしかすると、「エサ資源は豊富だが冬眠場所が極めて少ない事」が、「里山近辺における晩秋のツキノワグマの出没要因のひとつ」なのかも知れません。今後とも「里山のツキノワグマ」に関する調査と観察を続けたいと思います。