里山のツキノワグマ 2 〜本日も道路の白線上にフンを発見〜 2020.08.26

 今日(R02.08.26)の新潟県魚沼地方は雲ひとつ無い快晴の朝を迎えています。守門アメダス観測点における最低気温は19.6度、日中の最高気温は35度と予想されています。高原にあるエコミュージアム園内のブナ林の涼しさは心地良いのですが、高温注意情報が出ている日中は屋内や日陰で過ごしましょう。

 さて、昨日に続いて今日も早朝の定点観察(エコミュージアム園内ではありません)でツキノワグマのフンを発見しました。発見場所は昨日の地点から100mほど北側の「道路敷の路側帯白線の上」です。オニグルミの外殻が含まれているのが目視でも確認出来ます。このエリアは一級河川の両側に中小の河川や用水路が流れ込んでおり、500m級の里山(旧薪炭林)から河川敷にかけてオニグルミの群落(森)がかなりの面積で広がっています。ツキノワグマにとっては「高カロリーの油脂に富んだオニグルミの種子を効率的に採食出来る魅力的なエサ場」なのでしょう。既に1ケ月近くこの場所に通い詰めているようです。一般に良く言われるような「人間が奥山を荒らし、山にエサが無いから里にクマが出る」というよりは、「旧薪炭林の里山や人里にあるエサ資源はツキノワグマにとって非常に魅力的である」というのが、フィールドでの観察結果から導かれるツキノワグマの行動要因です。

 また新潟県魚沼地方ではシバグリ(柴栗=野生の小さいクリ)が豊作のようで、ツキノワグマの採食対象は今後「オニグルミ」から「シバグリ(柴栗)」、そして屋敷林の「カキ(柿)」へと推移してゆくと思われます。体重100kgを超える大きな個体が連日集落内の屋敷林に出没すると駆除対象となる可能性が高いため、屋敷林にある不要なカキの実は早めに収穫するか、あるいは柿の木自体を伐採するなど、駆除の回避と人身事故の防止に取り組む必要があります