野鳥と会話する子ども達 (ちょっと早いですが)晩秋の森について

 先回の投稿での「愛猫」との生活について、そういえば小さい頃は(実験の結果!?)ネコとちょっと挨拶程度の会話が出来たような気がしましたが、当方の勘違いだったのでしょうか?人間の「こんにちは(という意味を込めて)」を「(飲み込むような発声で)アン(人間語)!」と言えば愛猫も面倒くさそうに「アン(ネコ語?)・・・」と返してきていました。愛猫の発する「ごはんちょうだい(人間語)」は「ヴゲ〜(ネコ語?)」とあまり可愛くないですね。ネコはほとんど芸をしない印象がありますが、それでも飼い主の事は良く観察しているようで、帰宅した足音やこちらの呼び声には明確に反応していました。そして体をすり寄せながら顔でマーキング(通称目ヤニ付け)。素直な性格の綺麗な三毛ネコでした。

 さて、ちょっと季節を先取りした話題になりますが、紅葉が終わった後の晩秋の自然観察と実験について御紹介します。それは「野鳥と会話する方法」。具体的には森でヤマガラやヒガラ、コガラなどの「カラ類」の混群と出逢った時に、「カラ類の鳴きまね」でカラの群れを呼び寄せる実験です。

 晩秋の森は木々が葉を落とし、見晴らしがぐっと良くなります。昆虫はほとんど姿を消し、一見すると野鳥の食べ物は少ないと考えがちですが、「カラ類の群れ」は樹皮の間の小さな生き物や木々の梢などの間を移動しながら食べ物を探しているようです。こうした「「カラ類の群れ」が近くにいる時に、

「ピシ!」「ピシ!」「ピシ!」と人間が口まねすると、「カラ類の群れ」は興味深そうに徐々にこちらへ近づいてきます。野鳥観察が専門の方に伺うと「当歳の若いカラ類は警戒心が比較的低い」ので、「(何だ何だと)より近くまで様子を見に来るのでは・・・」との事です。欧米では「キュッ!」「キュッ!」という音を出す木製のバードコールも「カラ類の鳴き寄せ」に使用されるようです。

 個人的には大人が真似するよりも「子ども達の口まねのほうが効果的」のように感じています。子ども達の方が発声する音域が高いからか、それとも子ども達のカラフルな服装や楽しそうな雰囲気が作用しているのか分かりませんが、このようなチャンスがある時には観察フィールドで積極的に実験してみるようにしています。当方ではこの他にも(愛猫にかつて実験したように)フクロウやサシバ、アカショウビンなどの口まね(時には口笛)にも挑戦しています。

 また世界各地のネイティブの狩猟民族には、それぞれ現地で培われた「狩りに伴う鳴き寄せ方法(動物を安心させたり、好奇心を利用して呼び寄せたり)」があるようですので、非常に興味深いですね。実際、アニマルトラッキング(野生鳥獣の痕跡追跡)は狩猟技術として発展してきた経緯がありますし、動物行動学も野生鳥獣管理や家畜の取扱といった実践技術の性格を有しています。「野鳥の鳴き寄せ」のような楽しめる体験や「野鳥とのライブ感ある出会い」をエコミュージアムで是非お楽しみ下さい。