先日(R01.09.17)は地元の小学生の皆さんと一緒に「カヌー講座(河川と地域学習)」を行いました。子ども達に聞いてみると「ほとんどの子ども達はカヌーに乗ったことがありません」。ひとりだけ「カヌー体験の経験者」がいましたが、お父さんが野外活動を一生懸命される方で、普段から川遊びの一環としてカヌーに乗っているそうです。流石ですね。
さて、参加者は小学3年生と4年生のメンバーで、その多くがカヌー初心者です。こうした場合には「専門用語の羅列」や「難しい言い回し」を用いた指導方法より、「シンプルなキーワード」で「小さな自信を積み重ねる」指導方法が有効です。カヌー(カヤック)の指導場面では「フェザリング(パドルの左右切替と手首の返し)」を「招き猫の手」と教えたり、「水面でのバランス」については「おへそで楽に乗る」等と言ったりしますが、「指導のキーワードが有効か否か」は「子ども達の上達具合を見れば一目瞭然」です。
そしてカヌー講座の休憩時間は河原でゆったりとした時間を楽しみますが、こうした時間こそが「学びのタイミング」です。すぐ足元に転がっている赤と白の不思議な石が「チャート(二酸化珪素を含む硬い岩石)」という名前で、大昔に太平洋の底に積もった生物(放散虫)と関係がある事を説明し、「じゃあこの場所でチャートを集めようか」と提案すると、子ども達は楽しそうに一斉に河原に広がります。
「学びのスイッチ」はどこにあるのでしょうか?ウチの子には「学びのスイッチが見つからない」ということも時にはあるかも知れませんが、それでも自然体験活動には「学びのスイッチ」を起動させる「不思議な力」があるように思います。「水面から世界を眺めるカヌーの楽しさ」と「河原の小さな石にも地球の歴史が刻まれている」ことの発見に子ども達の瞳はキラキラしています。そして子ども達が見るこの世界が「多様な生命であふれた世界」であって欲しいと切に願っています。