数年前の事ですが、浅草山麓エコミュージアムを来訪された一般女性の方から「園内の木道の脇にクマのフンがあるようなのですが・・・」との情報をいただきました。証言から大まかに場所を特定し、現場へ急行します。成人男性の視点の高さでは枝の陰になって見えにくいのですが、ちょっと視点を下げると確かに「黒い物体」が「バケツ半分程の分量」で木道の脇に「山盛り」にあります。更に近寄って観察すると「黒い物体」は「土壌100%」です。また周囲には地中のトンネルの存在を示す地表部の植生変化もあります。タイトルにもある通り、これは「モグラ(おそらくアズマモグラ)が自分のトンネル補修で出た土」を地表部に押し出した「モグラ塚」です。ひとまずクマのフンでなくて一安心です。
自然観察を続けていると、子ども達や観察初心者の方から「凄く良いヒント」を頂く事が沢山あります。おそらく視点・観点が異なる事から「新しい切り口で自然を発見する」のだと思います。その意味では「観察者の数だけ自然はその姿を見せてくれる」のかも知れません。ちなみにこの方からは前出の「移入オダマキの経緯」に関しても情報を頂いていますが、当施設にあっては来訪者の皆さんの安全を確保し、地域固有の自然の姿を保全してゆくことが維持管理業務の基本だと常々思っています。