野鳥観察の際に用いる言葉で「タカバシラ(鷹柱)」があります。「タカバシラ」はワシやタカなどの猛禽類が形成する「個体群行動の一種」であり、上昇気流に乗って「複数の猛禽が旋回しながら空中を飛翔する状態」を表しています。
今日(2018.09.26)の新潟県魚沼地方は朝方の曇天から一変、昼前には青空が広がり太陽の光が大地に降り注いでいます。こうなると日射によって暖められた大気が地上の地形に呼応するように「上昇気流」を発生させます。日本列島はユーラシア大陸の東側に位置しており、太平洋・日本海・オホーツク海・東シナ海などに囲まれている事から、様々な鳥類が「季節移動(渡り)」に利用しますが、「タカバシラ(鷹柱)」は「秋の気象条件が発生させる上昇気流」と「猛禽類の季節移動」、あるいは「各個体の地域移動」などが複合して発生しているように思います。
観察時には「みんなで渡りの相談をしている」とか「鷹同士が飛翔能力を競い合っている」といった感想(※)も出て来る「タカバシラ(鷹柱)」ですが、秋の晴天時は野鳥観察の適期でもあり(観察場所と安全への配慮、マナーの厳守は当然として)、季節限定の行動ですので、この機会に空を見上げてみてはいかがでしょうか。
※実際には「遊園地のジェットコースターのスタート時の原理」のように、上昇気流を利用して「位置エネルギーを得て(一旦高い場所に昇る)」、これを季節移動(渡り)の滑空時の「運動エネルギーに用いる(高度を下げながらスピードに変換する)」のが目的のようです。「ワシ・タカを持ち上げる上昇気流」もその大元は「太陽光線の熱エネルギー」ですから、言い換えれば「ワシ・タカ」は「太陽のパワーを利用して地球上を移動してゆく」とも表現出来そうです。