名峰・米山 観天望気(かんてんぼうき)とワッチ

 今日(2018.09.18)は三連休明けの火曜日ですが、新潟県魚沼地方は午前中の曇天から序々に青空が広がってきました。魚沼地方の9月は稲刈りの最盛期であり、機械化が進んだ現在であっても円滑な収穫作業に向けて「好天が待ち遠しい」のは変わりません。

 さて、先日は日本海の海上に出る予定がありましたが、朝方は秋雨前線による生憎の気象状況という事で、天気予報に従い県営マリーナにて好天待ちとなりました。またマリーナの職員の方からは「今日は風の変化が大きいので海上では注意したほうが良いですよ」との助言をいただきました。1時間以上管理棟の屋上で好天待ちと海上ワッチ(警戒観察)をしていたところ、施設の風向風力計は当初の北東風から「天気予報の通り穏やかな南風への変化」を示しています。係留されているヨットの風見も当然に「南風」の様子。海上の白波もほぼ解消してゆきます。それではと離岸スロープまで移動したところで「一転して突然の強い北東風」が吹き始めました。上下架施設にある吹き流しも真横(強風を示す)にはためき、海上は再び一面の白波状態となりました。マリーナの職員の方も状況を注視しています。当方の実力を踏まえると今日のコンディション下では海上に出ないほうが良さそうです。また「判断に迷うようであれば出船中止」は海上での安全管理の原則です。

 そして視線を海上から名峰「米山」に向けると、今まさに米山の山頂と海側とで「雲と霧が大層複雑な動き(気流の乱れ)」を示し、上越市方面の海上には再び雨雲が広がり始めています。米山は陸上からも(魚沼市にある浅草岳の山頂からも)海上からも良く見える(目印となる)名峰ですが、なるほど、柏崎の方が民謡で歌うところの「米山さんから雲が出た」「今に夕立が来るやら」というのは、こうした「荒天や気象変化への警戒」を含んでいるのかな・・・と思案した次第です。

 空の様子を見て、雲の動きや風向きなどの観察結果から気象を予測する手法を「観天望気」といいますが、その土地で長く言い伝えられてきた気象に関する民間伝承には、経験に裏打ちされた知恵が数多く含まれていると思います。野外にあってもインターネット経由で様々な気象観測データを随時利用できる時代になりましたが、「現場でのワッチ(警戒観察)の重要性」は変わりませんし、自然学習の一環として観天望気や民間伝承に含まれる「人々の知恵と自然のしくみ」についても学び続けてゆきたいものです。

<浅草岳の麓から見る米山(望遠にて撮影)>

<雪景色の県営柏崎マリーナ> 昨冬に撮影