ニホンリスの横断歩道

 定点観察地点の柴栗(野生のクリの木)の実ですが、今のところたくさん実っているようです。また定点観察地点のオニグルミの実も大きくなりました。そろそろニホンリス(ホンドリス)がクルミの実を集める季節になりました。リスはクルミの実を集めて、落ち葉の下などの様々な場所に埋めて隠しますが、いくつかのクルミの実は(埋めたことを忘れられて?)リスが掘り出すこともなく「そこから新しいクルミの木が育ってゆきます(森林総合研究所による調査では母樹からの距離で最大168m※)」。オニグルミの森は「リスが育てた」と言ってもいいほど、オニグルミとリスは共生関係にあるように思います。

 リスは樹上の枝から枝へと一生懸命にクルミの実を集めるのですが、行動圏の中に道路が横切っている場合等「樹上のルートが寸断」されると「やむを得ず地上(道路)を移動する事があり」、結果として「リスが自動車と接触(ロードキル)」することがあります。リスのために横断歩道がほしくなりますが、クルミの森の近くでは一層の安全運転を心がけたいものです。

 

参考:国立研究開発法人 森林総合研究所

   多摩森林科学園森林生物研究室 林典子・新島渓子
   多摩森林科学園樹木研究室 勝木俊雄・横山敏孝

「ニホンリスの貯食行動によるオニグルミの更新」※

https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/1994/p04.html