遅い冬の訪れとツキノワグマ

    11月27日の積雪との比較 ( 新潟大学 災害・復興科学研究所 )

 

 11月22日に降った推定10センチくらいの雪はすぐに消え、今日27日も積雪はおそらくゼロ。この先1週間は降雪がないという予報です。 少雪と言われた昨年でさえ、すでに積雪が20センチはあったようですから、今年は冬の訪れもかなり遅くなっているようです。 それでもさすがに、現地の朝の気温は氷点下の日が多くなってきているはずです。完全に積雪に覆われると、雪の下は地熱の影響で0℃より下がることはありません。地表より深くなるほど温度が高くなり、生き物たちは安定した環境の中で春の到来を待つことができます。

 

魚沼市大栃山地区から 太郎助山 毛猛山(1517m) 桧岳  (2024年11月20日)

 

 冬眠中のツキノワグマはエネルギーの消費を最小限に抑えるため、体温や心拍数、呼吸数を減らすなどして、厳しい冬を乗り越える能力を身につけたと言われています。 さらに、冬眠中に雌熊は出産をして授乳もするという特異な生態にも驚かされます。人間との共存のありかたでこれほど話題になることの多いツキノワグマですが、まだまだ謎の多い動物と言われるのもうなづけます。 いつまでも山野が雪で覆われないために、ツキノワグマのように冬眠をする生き物たちが戸惑うようなことがなく、山の雪の下でしっかりと冬ごもりをしてくれることを祈りたいものです。

 

(気象データ:エコミュージムの南8キロ、標高が同じ(750m)「新潟県道路情報システム・六十里峠」)