このところ梅雨らしく、雨の降る日が多くなってきました。そんな日のフィールドでは整備された道と、スタッフ手づくりの各種案内板が、どこかアナログ的で、雨に濡れるブナ林に誘うような雰囲気を醸し出しています。
小雨の降り始めの筋状の樹幹流
ブナ林に入ってみると、森に降った雨がブナの幹を伝い、地面に浸み込むまでの水の道「樹幹流」を見ることができます。 ブナの葉が漏斗のように集めた雨を枝から幹へと伝わります。雨の降り始めは幹全体に筋状に雨水が垂れて来ます。雨が強くなるにつれて筋状の樹幹流は次第に幅を広くして、はっきりとした水の流れとなって、根元の地面に浸透していきます。ブナのような肌が比較的滑らかな木に見られる現象です。
この細い流れが次第にまとまって太い流れに
このようなことから、樹幹流は、特にブナの森の「緑のダム」を作るのに欠かせない営みの一つと言われているのです。
フィールドの開けた所では初夏の花々を楽しみ、ブナの林の中では、雨の日ならではのブナ林の水循環の一端の観察を楽しんでみてはいかがでしょうか。