梅雨晴れの下

  ハウチワカエデの実

 

 全山新緑から深い緑に変わった中で、小さいながらもハウチワカエデ(ムクロジ科)の赤い実がひと際目立ちます。ハウチワカエデは、葉の形が天狗の持っている羽団扇に似ていることからこの名前がつきました。低山から亜高山帯の林で見られ、秋、大きめの葉の紅葉の美しさは格別のものがあります。

 独特の花の後、 2個のブーメランのような実がくっついて実ります。長い翼のある実がプロペラのような形をしているのが特徴です。それがクルクルと回転しながら落下します。その長い滞空時間のうちに横風で遠くに運ばれて広い範囲に散らばり、時には100m以上も飛ぶことができるとのことです。こうしたプロペラ型の種子は、風を利用していろいろな場所に芽生えて生き残ろうとする戦略の一つだと言われています。 

 

  何のためにこんな・・・     生き抜くために皆一生懸命

 

カワトンボ類が多くなってきました   平場より気温が5~8℃も低いブナ林

 

 このようにフィールドで気を付けて見ると、小さな動物も植物も命をつなごうとする様々な営みが繰り広げられていることを見ることができます。