昨日(2021.03.16)は魚沼市にある新潟県警小出警察署へ赴き、署長さんも御臨席いただく中で今年度2回目の「ツキノワグマの生息実態等に関する情報交換」を実施しました。警察活動の中でクマ対策を担う小出警察署の幹部職員の方も交えて、クマの冬眠明けを前に大変密度の濃い情報交換会となりました。
<左上:10年以上前のクマの爪跡 右上:国道に架かる橋の上で昨年発見したクマのフン>
<左下:オニグルミを大量に含む昨年秋のクマのフン 右下:先日発見したシロヤナギの大きなウロ>
情報交換の場には「一昨年10月に魚沼市の市街地で発生したクマによる連続人身被害」の「第一通報者となった警察官の方」も加わり、当時の深刻な被害状況をあらためて拝聴しました。詳細は掲載出来ませんが、戦慄する内容です。当方からは、
・ツキノワグマの生態痕跡が人家近くの裏山で頻繁に発見されること(里山のツキノワグマの実態)
・魚沼市内については近年、西側の「魚沼丘陵エリア」でクマの生息数が拡大している可能性
・今冬の降雪状況と里山、奥山のクマの冬眠明けのタイミング
・春先のクマの食性(里山ではタムシバの花を好んで摂食)から、山菜採りの方への注意喚起の必要
・冬の間に外へ出した生ゴミが、雪消えとともにクマを人里へ誘引する危険性
・クマに加えて、魚沼地方で激増しているニホンイノシシに関する生息情報
等を提供しました。地元猟友会の皆さん(対策実施隊)を始め、地域の皆さん、警察・消防・県市行政機関等の連携により、魚沼市内では「令和2年度のクマによる人身被害」を現在まで「ゼロに抑えることが出来ています」。
この度は小出警察署の情報交換会にお招きいただき、誠にありがとうございました。野生鳥獣による人身被害の防止に向けて、当方も調査研究活動に精進したいと思います。