昨日(2021.03.03)は「ひなまつりの日(桃の節句)」でしたが、施設点検を兼ねて向かった浅草山麓エコミュージアムセンターの周囲は「終日氷点下の真冬日の様相」でした。
<左上:立柄岩周辺も冬景色 右上:雪上調査にはテレマークスキーが最適>
<左下:ミズナラの巨木とブナの二次林 右下:周囲のブナ林も冬景色>
<左上:エコセンター周辺は積雪5m前後 右上:建物はしっかりと積雪に耐えています>
<左下:ブナの原生林を有する守門黒姫 右下:浅草岳のヤスノ沢は雪崩シュート(走路)です>
出発地点の大自然館前では新潟大学の皆さんが積雪・防災関係の実地調査を行っていました。今日の新雪は20cm程ですが、テレマークスキーを用いれば、2時間以内にエコミュージアムセンターへ到着するでしょう(雪崩の危険箇所などが多数ありますので、一般の方は絶対に立ち入らないで下さい)。そして気温は終日氷点下の真冬日。立柄岩付近も完全な冬景色です。
例年であれば当地(新潟県魚沼地方)のツキノワグマは4月中旬頃に冬眠明けし、雪崩斜面の上部や岩棚付近で採食行動を開始します。そして3月3日を起点とすれば、「奥山のツキノワグマ」の冬眠明けまでは概ね6週間前後となります。ネット上の言説では「奥山の木の実は全滅」「山には生き物の気配ゼロ」「ツキノワグマは飢餓状態で絶滅の危機」などの極端な見解も散見されますが、昨年秋までの当方の調査結果から判断すると、里山周辺では根雪期間が短いことから、新潟県魚沼地方の「里山のツキノワグマ」の冬眠明けについて、当方では4月上旬前後(概ね4週間後)と予想しています。つまり、4月に入ると標高500m以下の里山エリア(旧薪炭林)の周辺では、ツキノワグマの新しい足跡や目撃情報が出始めるのでは・・・と思案しています(一部のツキノワグマは、当地では2月中から集落周辺で目撃されています)。
そして帰路の大白川集落では、川向こうの斜面で逞しくラッセルするニホンカモシカを発見しました。自然観察の基本に従い謙虚にフィールドへ目を向ければ、生き物たちは素直にその姿を見せてくれます。
<左:カモシカがどこに居るか分かりますか? 右:豪雪環境に適応したニホンカモシカ>