里山のツキノワグマ 64 〜氷雨の夜に人里の柿の実を採食するクマ、追跡個体SB2〜

 今朝(2020.11.09)も里山エリア(エコミュージアム園内ではありません)の早朝定点観察を実施しました。守門アメダス観測点における最低気温は4.3度と冷え込み、もうすぐ雪に変わりそうな氷雨が降っています。

 さて、2020.10.26から行動を追跡していたツキノワグマ個体SB2ですが、今朝(2020.11.09)の時点で行動確認が出来ました。人家から600mほどの距離にあるこのエリアで2週間以上行動し、氷雨の降る夜に、人里にある柿の実を採食するためにこの柿の木を利用したようです。

 

<この柿の木には、今年の分を含めて数年分のクマの行動痕跡が残されています>

 

 この追跡個体に関する調査によって、「人里のツキノワグマ」は晩秋のこの時期(11月第2週)に至っても、集落近くの人里エリアで採食行動を取っていることとが判明しました。またツキノワグマは雨天時の夜も行動しています。ツキノワグマによる人身被害を防止する観点から、クマのエサ資源となる柿の木の周辺を筆頭に、クマへの警戒が必要です。