里山のツキノワグマ 23 〜地元小学校の「自然観察クラブ」でもクマのフンを発見〜

 浅草山麓エコミュージアムでは地元魚沼市の小学校の「自然観察クラブ」の指導も行っていますが、月例観察会の本日(2020.10.01)午後3時頃、いつもの観察フィールド(公園近くの田園地帯)でツキノワグマのフンを子ども達と一緒に発見・観察しました。このフンにもやはりオニグルミの殻が大量に含まれています。フンの発見場所は魚沼市守門地区の鳥屋ガ峰(とやがみね、681m)の麓にあり、当方の定点観察エリアから南西に伸びる「魚沼丘陵」に属しています。また南に開けた斜面は昭和30年代まで薪炭林として集落の方が利用してきた山域であり、鳥屋ガ峰の東側を流れる天神川に沿ってオニグルミの木や柴栗(野生のクリの木)が沢山自生しています。

 新潟県魚沼地方ではこうした「標高200m前後の里山・裏山エリア」も、「今ではツキノワグマの行動圏(エサ場)」となっています。当日もツキノワグマが食害したクリの木を子ども達と一緒に観察しましたが、ツキノワグマによる人身被害の防止に向けて、より一層の警戒が必要です。

 さて、今日は熊除けの方法のひとつとして、自然観察クラブのメンバーと一緒に「山道を歩きながらの熊除けの手拍子」を実践しました。熊除けの拍手のリズムが段々同調してきて、最後は「楽しいリズムセッション」になりました。「あれれ?(笑)」。子ども達は本当に遊びの天才です。子ども達にも地域の方にも、「ツキノワグマによる事故や怪我が発生しないこと」を切望しています。またそのための知識や技術を伝える場として、こうした地元小学校の「自然観察クラブ」が機能してくれたら、これもまた嬉しい事です。