今朝(2020.09.29)も早朝の里山定点観察(エコミュージアム園内ではありません)を実施しました。その結果、ツキノワグマのフンを2サンプル採取しました。雨天により調査に間を置いたため、2日分以上のフンをカウントしている可能性が高いのですが、それにしてもこの調査区におけるツキノワグマの生息密度と人里近くでの大胆な行動には驚きを禁じ得ません。市民の方の目撃情報や当方の定点観察から判断しても、現時点で少なくとも2〜3個体のツキノワグマが5.4平方kmのこの調査区内で行動しているようです。そしていつもの事ですが、このエリアのツキノワグマのフンは大変立派です。この「日当たりの良い旧薪炭林の里山」には「ドングリが不作であっても」、「オニグルミやヒメグルミ、シバグリ(柴栗)、アケビなどの”多様で豊富なエサ資源”がある」ことが推察されます。
<今朝は2サンプルのツキノワグマのフンを採取しました。砂利道にある最初のフンはラーメンどんぶり満杯の量です。>
<フンを採取する場合は安全確保のため「小型四駆のクラクションを5回以上鳴らして」周囲のクマを追い払います。>
<持ち帰って洗浄したところ、このツキノワグマのフンの内容物はヒメグルミの外殻が90%以上となっています>
一般に「山にエサが無いからツキノワグマが人里に出没する」と言われますが、より正確に記述すれば、
「そこ(奥山でも、里山でも、人里でも)にエサ資源があるから(という期待と動機により)ツキノワグマが出没する」
と言えそうです。この季節、新潟県魚沼地方ではオニグルミ・ヒメグルミ・クリ・カキ等のある場所を強く意識いただき、ツキノワグマとの不意の遭遇に最大限御注意下さい。