里山のツキノワグマ 14 〜林道脇のアケビは豊作?〜

 今朝(2020.09.18)も里山エリア(エコミュージアム園内ではありません)の定点観察を行いました。今にも雨が降り出しそうな垂れ込めた雲の下、里山エリアの山頂付近は乳白色の霧に覆われています。いかにもツキノワグマと遭遇しそうな雰囲気でしたが、(幸いにも)クマとの出会いはありませんでした。

 そこで、ちょっと足を伸ばして林道の調査に切り替えます。2020シーズンの新潟県魚沼地方の里山は、確かにコナラのドングリは少な目の印象ですが、その一方でアケビの実は豊作のようです。アケビの実はまだまだ大きくなる途中ですが、(ツキノワグマにとって)食べ頃の青いドングリと同じ場所でアケビが実っていますので、秋の行楽シーズンにはツキノワグマとの不意の遭遇に御注意下さい(当方の薄明時の調査は主に小型四駆の車内から実施しています)。

 

<林道脇にはアケビが沢山実っています。コナラのドングリもありますよ!>

 

 一般に「山にはクマのエサになる木の実が少ない」とか「人間が山を荒らしたからクマのエサが無い」と言われますが、実際にフィールドを調査してみると「旧薪炭林にも林道の脇にも、様々な木の実が存在します」。ツキノワグマの子熊が集落付近で何回も目撃されたり、春から秋までツキノワグマの目撃情報が連続している事(※)を踏まえると、「新潟県魚沼地方ではツキノワグマのエサ資源は奥山にも里山にも存在し、ツキノワグマの生息域も拡大傾向である」ように思います

※参考:魚沼市における地域別のクマ目撃情報(2020.08.01から2020.09.17まで)