里山のツキノワグマ 1 〜道路の白線上で再び大きなフン〜 2020.08.25

 今日(R02.08.25)の新潟県魚沼地方は快晴の朝を迎えています。守門アメダス観測点における最低気温は20.3度、日中の最高気温は33度と予想されています。エコミュージアム園内の午前中の涼しさは格別ですが、日中は熱中症の防止に警戒が必要な日々です。

 さて、先日(2020.08.18)「オニグルミ入りのフン」が確認された里山エリア(エコミュージアム園内ではありません)で、今朝(2020.08.25)6:30頃再び県道の路側帯白線上で「オニグルミの外殻が大量に含まれたツキノワグマの大きなフン」が見つかりました。

 

<フンの大きさはタテ15cm、ヨコ15cm、高さ10cm、断面直径4cmほど>

 

<周囲には水田と河畔林が広がり、後方には標高500mほどの旧薪炭林の里山があります>

 

<早速フンの内容物を調査すると95%はオニグルミの外殻、残りの5%はおそらくセリ科の植物と思われます>

 

<新潟県魚沼地方のツキノワグマは、8月第4週以降の硬くなったオニグルミも外殻ごと採食していることが実証されました>

 

 一般的に「フンの太さ」は「ツキノワグマ個体の体の大きさ」に比例しますが、このフンの太さから見て「体重100kgを超えるようなツキノワグマの成獣」と思われます。発見場所は標高200mほどの「集落に隣接した水田地帯」で、周囲には一級河川とオニグルミの群落(森)があり、またその背後は標高500mほどの里山(多様な植生を有する日本海側積雪地帯の旧薪炭林、標高1500m級のブナ天然林に続く)という構成になっています。この場所では春から晩秋までツキノワグマの目撃情報がありますがこのフンの排出者は「典型的な里山型のツキノワグマ」という印象があります

 道路の白線上に堂々と何回もフンをする様子から、「この良質なエサ場(オニグルミ群落)はオレのナワバリだ」とツキノワグマが主張しているようにも思えます。戦後の燃料革命以降、新潟県魚沼地方では旧薪炭林の森林がどんどん成長を続けています。令和時代のツキノワグマは「奥山にも里山にも生息しています」。

 そしてツキノワグマは決して「可愛いぬいぐるみ」でも、「無邪気なペット」でもありません。ツキノワグマは日本列島の自然環境に巧みに適応している食肉目最大級の野生動物です。