当地の最高積雪深は463cm  仕事車の軽トラックと小型四駆の予防整備

 浅草山麓エコミュージアムは新潟県と福島県との県境近くに位置しており、冬季の最高積雪は4mを超えることもある豪雪地域です(4m63cm 1981.02.09 当時の入広瀬庁舎付近で観測)※。また園内の作業道は狭い砂利道であり、浅草岳へ至る林道も未舗装の部分が多くありますので、こうした場所で使用される自動車は軽トラックが最適です。ある時は道路補修用の砂利を積み、またある時は伐採した木材を積み、学習プログラムではカヤックやスノーシューも積みますので、軽トラックは当施設にとって欠かすことができない業務車両です。

 ところが、豪雪地帯である新潟県魚沼地方では道路の凍結防止のために「塩化カルシウム(通称:塩カル)」を散布しますので、車体の錆がどうしても進行してしまいます。そこで予防整備として、毎年梅雨明けの頃に車体の下回りをスチーム洗浄した後、保護塗料(塩害ガード)を施します。幸いなことに、今のところ軽トラックの骨格に相当する「ラダーフレーム(梯子型の基本フレーム)」には錆が及んでいませんが、外板やタイヤハウス周辺の金属パネル接合部分については、パネルボンドやシール剤(車体の金属パネルを密着させる弾性接着剤)の劣化とともに塩分を含んだ雪解け水が浸入し、錆が進行しつつあります(当然雪道走行の後は毎回真水で洗浄しますが)。

 個人で使っている小型四駆も同じ条件ですので、こちらも先日、晴天の休日を利用して整備しましたが、やはり製造から20年以上経過していますのでパネルボンド(あるいはシール剤)が劣化して、水分の浸入とともにタイヤハウスの周辺から錆が始まっていました。このため黒錆転換剤と亜鉛塗料、ポリエステル樹脂とガラス繊維によるFRP加工、弾性のあるラバーチッピングコート(ゴム系の防錆塗料)などで補修しました(これ以上錆が進行した場合は板金作業と溶接による修理が必要)。

 当地はおそらく日本でも有数の豪雪地帯ですが、ラダーフレーム車は整備もしやすく丈夫、雪道にも未舗装道路にも強いので、これらの自動車には今年の冬も仕事車として頑張って欲しいと思います。雪国新潟の冬への準備は、夏の今から始まっています。

 

<参考>

気象庁 過去の気象データ検索

新潟県魚沼市守門西名アメダス観測点

(入広瀬穴沢観測点を継承)