近所のツバメ達は先にどんどん巣立っていきましたが、当方のツバメ3羽もようやく巣立の日を迎えました。ツバメは近所付き合いも活発なようで、カラスが巣に近づけば別々のファミリーであっても共同でモビング(追い払い行動)をしますし、巣立ちの際には近所のツバメ達が賑やかに囀り、見物(応援?コミュニケーション?)にやってくるようです。
とは言うものの、今回のツバメ3羽は静かなもので、朝から1羽、ちょっと経ってから1羽という具合に五月雨式の巣立ちでした。それでも最後の1羽はなかなか決断できない様子でしたが、親ツバメはエサを使って上手に初飛行へと誘導してゆきます。1羽だけになったツバメの巣は広々としていますので、「羽ばたきの練習も存分に出来ます」。エサを咥えた親ツバメが何度か促していると、この幼鳥も飛翔への本能がいよいよ湧き上がってきたのか、「ハタ.ハタ.ハタ.ハタ.」という初々しい羽ばたきで「見事初飛行」となりました。毎年の事ながら、親ツバメの親心と幼鳥の勇気に感動してしまいます。そしてツバメの親には、巣立ち後の「エサの取り方」や「危険回避」など、「幼鳥(巣立ち雛)から若鳥への教育」という最後の大仕事があります。ツバメの心情が伝わってくるようです。
そして秋になると、ツバメたちは自らの翼で、マレーシアのボルネオ島などの南の国まで旅をします。それまでは魚沼で充実した夏を過ごして下さいね。それにしても、鳥の飛翔への本能は凄いですね。私たち人間の「本能」は何を目指しているのでしょうか。「三つの欲」とは言いますが、最も根源的な人間の本能は「世界のあらゆる事象を知りたい」という知性(脳のはたらき)にあるように思います。その意味で言えば「次世代の知性」を育む場としての「家庭教育や学校、図書館、博物館など」はとても大切な存在であると、ツバメの巣立ちを見て考えた次第です。
私たちスタッフも「自然への知性を生み出す場」として浅草山麓エコ・ミュージアムがしっかりと機能し続けるように、日々精進してゆきたいと思います。