サシバの渡り

 今日(R01.09.13)の新潟県魚沼地方は青空が広がる穏やかな朝を迎えています。守門アメダスの最低気温は15.1度(05:54)と涼しく、野外活動やスポーツにも最適な気温となっています。

 さて、県内で野鳥調査を担当している知人から「秋のタカ観察(予備調査)」の情報が入ってきました。例年9月中旬から中越地区の信濃川沿いの観察ポイントでタカの渡り(秋の深まりとともに日本列島から東南アジア等へ南下する群れ)が見られます。この時期は「明け方にかけて冷え込んだ大気」が晴天時の日射によって暖められ「山岳地帯での上昇気流」となって「タカの渡りを促す」ようです。中越地区の信濃川沿いの丘陵地帯はこうした上昇気流が列状に連続して発生するため、サシバやハチクマなどの渡りには好都合なのかも知れません。

 新潟県からはちょっと離れますが、H30年の愛知県渥美半島(伊良湖岬)のデータ(※1)では10月上旬に渡りのピーク(例:サシバ、10/3)が見られたようですので、おそらくこの数日前が新潟県におけるサシバの渡りのピークなのだと推察されます。日本野鳥の会の武田恵世さんの調査論文(日本列島におけるタカの渡り 1989 ※2)によれば、1日の移動距離は200km以内、移動速度は40km/h程(サシバ・ハチクマ、秋の渡り)との事です。

 上昇気流をつかまえながら東南アジアまで自分の翼で旅をするのですから、生物の能力は本当に素晴らしいですね。

 

参照資料 

※1 渥美半島観光ビューロー「タカの渡り」より

https://www.taharakankou.gr.jp/spot/000344.html

※2 「日本列島におけるタカの渡り 日本野鳥の会 武田恵世 1989」

Strix vol.8 公益財団法人日本野鳥の会 野外鳥類学論文集より