自然観察を長く続けていても、なかなか正体が判別できない存在が結構あります。その中でも当地(新潟県魚沼地方・浅草山麓)の晩秋に現れる「比較的大型のコウモリ」の正体を知りたいと常々思っています。
そして、このコウモリと出会っている条件ですが、
1.「晩秋」の日没以降で観察され
2.「小雨」が降るような日にも観察経験(天候に関わらず積極的に蛾を追っている様子)があり
3.標高750m(ブナ林)から200m(里山)の区域でも観察され
4.本来は超音波であると思われますが、「発する音は人間の可聴音域にも近く(つまり比較的低い周波数で)」
5.時には「複数の個体」が(10頭前後)ある程度まとまって行動し
6.翼(コウモリはほ乳類なので翼手)を広げた大きさは「30cm以上」
7.道路の上や人家の屋根の高さを飛んでいることがある
となっています。今度はバットディテクター(超音波変換装置)を用いて調査したいと思っていますが、
「ヤマコウモリ」の可能性が高いのでは・・・と思案しています。
(ほとんど)晩秋にのみ観察される理由ですが、晩秋の時期(11月前後)には本来の生息域である標高1,000m前後のブナ林帯では主要な餌資源である「ガ(蛾)」が越冬に入り捕食が難しくなる事から、このコウモリは「比較的標高の低い里山や集落周辺まで降りて来て(冬眠に必要なカロリーを確保するために積極的に狩りをし)、結果として観察者と出会う機会が増える」ことが背景にあるように推察しています。