施設管理の合間に草地を見ると、日当りの良い土手に「イヌタデ(犬蓼)」が赤い(正確には外側のガクが赤く見えるそうです)実をたくさん付けています。昔は子どもたちのママゴトの中で「イヌタデの実を赤飯に見立てて遊ぶ」ことがあったようです。暑い季節は毎月のように草刈りを行った草地ですが、この場所については「草刈りの頻度が少なめだった」ためでしょうか、イヌタデは他の植物を圧倒して結実に成功しています。
当方の管理業務は多岐に渡り、毎日草刈りのみを行っている訳でもありませんが、「自然観察の視点」で見ると「草刈りは雑草と人間活動との相関実験」という印象を強く持ちます。メインとなる草地は主に美観・安全上の理由から「天然芝の育成を主目的(3日に1回の芝刈りを目標)」として管理していますが、その外側には雑草をも含めた生物多様性の世界(昆虫も沢山生息している定点観察地点のひとつ)が広がっています。そしてこの夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)にも様々なチームが出場して会場を沸かせましたが、「地道に」「諦めず」「最後には実を結ぶ」という生き残り戦略をイヌタデに見るに、「雑草ならではの強さと逞しさ」に思いを馳せ、そしてその傍らに咲く「ツユクサの花の深い青色」にも「生命の逞しさが内包する美」を感じます。