定点観察地点では気が付くと葛の花が咲いています(2018.08.22)。葛はツル性の多年草であり、成長速度が非常に早いことから、森林の管理をなさっている方などは林縁部や法面に大繁茂する葛の処理に大変難儀をしていると思います。そんな葛ですが、花をよく見ると紫色の花弁が鮮やかでそのほのかな香りは「ブドウ系の炭酸清涼飲料水」に似ています。歌舞伎の演目でも有名な葛の葉とキツネが登場する「葛の葉子別れ(※)」の物語の切なさにも通じるのでしょうか。
そして早朝の時間帯、草地の地表部ではコオロギが鳴き始め、夏から秋への季節の移り変わりを実感させます。
※参考 国立国会図書館デジタルコレクション
月岡芳年 新形三十六怪撰 葛の葉きつね童子にわかるゝの図
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1306527