運命の相手に 今日の午後?

 今週後半には新潟県地方も寒冷前線通過に伴い「大雨」が予想されていますので、今日(2018.08.15)は朝から取水堰のバルブを閉じたり、土嚢を用意したりと「荒天準備」の作業を行っています。「荒天準備」とはもともと航海用語で「嵐に備えて荷物を固定したり、デッキ上のロープを整理したりする作業」のことですが、当館も周囲の自然条件が厳しいため気象情報等から判断して「荒天準備」を実施しています。

 さて、作業も一段落して園内の様子を観察すると、コエゾゼミ(背中のゼッケンがWX!)が今期最大かと思われる大合唱状態です。鳴くのはオスのセミですが、手づかみで簡単に採取できるほど「(メスへのアピールで)鳴く事に集中しています」。ブナの木にあるセミの幼虫の抜け殻(うつせみ)を見てみると、地面からの高さは平均で4mほど。最高地点は7m以上あります。体長2cmほどのセミの幼虫が高さ4m(400cm=体長の200倍)まで登って羽化をしたことになります。これは人間のサイズで例えると約320メートル(1.6m×200倍)の高さということになり、ちょうど東京スカイツリーの中間地点付近に相当します。

 明日以降大雨などの荒天が予想されますが、もしかしたらコエゾゼミにとっては(荒天前の)今日の午後が運命の相手と出会える貴重な時間になるかも知れません。農作物や森の恵みに被害が無いことを願います。