オニグルミの定点観察と「風の又三郎」

 透明度を増した空気と早い流れの雲が台風の接近を予感させます。近くに「オニグルミの定点観察地点」があり、見たところ今年の実りは平年並みと思われますが、台風で若い実が落下するかも知れません。大風とクルミ(胡桃)といえば宮沢賢治の「風の又三郎」を連想します。物語は東北の小さな小学校を舞台として、9月の新学期にやってきた転校生を中心に展開します。「どっどど どどうど どどうど どどう 青い胡桃も吹き飛ばせ・・・」。9月にやってきた転校生は台風のメタファーのようにも思えます。

 さて、定点観察地点のオニグルミですが、栽培種の場合1本の樹に実るクルミの実の総量は20〜30kg(JA長野 中央会※)との事ですので、野生種であっても定点観察地点あるいはエリア全体のクルミ資源量は非常に大きいことが推察されます。特に夏の時期の柔らかいオニグルミの実は「ツキノワグマの好物」でもあります。農作物にも森の恵みにも台風被害が無いことを願っています。またこれからの時期、オニグルミの森ではツキノワグマとの遭遇に御注意下さい。

 

参考 JA長野 中央会 「クルミの里でクルミを育てて、60回目の秋」

http://www.iijan.or.jp/oishii/sp/products/fruit/post-640.php